エルベシャプリエを、断捨離

 

 

 

今年の春、エルベシャプリエのバッグを一つ手放しました。

704GPノワール×ノワールです。


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手放す前に記念撮影



 

 

およそ3年前に購入してから、どんな服でもどんな靴でも合うこのバッグは、通勤で毎日使っていました。

 

 

 

 

持ち手や中が少し汚れてきたけれど、まだまだキレイで現役。それなのに手放したのは、一回り大きい708GPを新たに購入したからです。今年の春からスタイリストスクールに通うようになり、都内へ行く機会が増え、持ち物も財布やポーチの他に、テキストと筆記用具と飲み物…。さすがに704ではパンパンになってしまい、手提げタイプでは移動や乗り換えの時も持ちづらく。

 

 

708なら持ち手が長いので肩にかけることができ、容量も少し大きめ。色も同じにしたので、用途と色が同じバッグは、ミニマリストでなくてもいるまい…ということで代替したのでした。


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新しい708GPと、なぜか一緒に撮ったフェイラーのハンカチ

 

 

 

 

そうと決めたらさっそく行動。いつものメルカリに出すと、ものの数分で買い手がつきました。即時決済してくださったので、すぐに発送できる流れに。めでたしめでたし…と思いたいところでしたが、

 

 

 

 

 

ふと隣にあったこのバッグに目をやった瞬間、生まれて初めて、モノを手放すときに「寂しい」という感情に襲われたのです。

 

 

 

 

 

704を両手でそっと持ち上げると、月並みな表現ですが、ともに過ごした日々が走馬灯のように蘇ってきました。

 

 

 

 

たった3か月で辞めてしまった会計事務所の面接のときもついてきてもらいました。もちろんそこで働いていた時も。

 

 

 

そのあと派遣で年末調整の仕事をしていた時も。大手の会社で、社員さんはみんな専門分野に長けたエリートばかりで、自分は派遣。でもなんとなく、このバッグが自分に自信を持たせてくれているような気がしてました。

 

 

 

ホテルフロントのアルバイト時代は、一日立ちっぱなしでヘトヘトな毎日…だけど、このバッグを持っていくことが何となくうれしくて、毎朝家を出るたびに、よし、今日も行ってこよう!とスイッチが入るようでした。会社までの道のりも、これを携えていることで、少しだけ胸を張っていられました。

 

 

 

 

思えばこのバッグで通勤していた間は、長年勤めたカーディーラーを辞め、わたしは何をしたいんだろう?何ができるんだろう?とずっと模索していた時期でした。

 

 

 

 

結婚もしていない、正社員でもない。責任の重くない割を非正規という立場で、自分を探しながら、できることや目の前のことを、ひたすらこなす毎日。

 

 

 

 

自分のスペックに自信がない分、このバッグがそれを補ってくれていて、頑張れ!大丈夫だよ!って応援してもらっていたような気がします。

 

 

 

 

でも、新しい飼い主…じゃなくて持ち主が見つかった。もう手放すと決めてしまった。早く送らなくちゃ。

全文は忘れてしまったのですが、仕事で辛かった日々を支えてくれた、相棒のような存在でした…と綴ったメモと、緩衝剤をぎゅっと詰めて梱包し、発送。数日後、届いた旨を知らせる取引メッセージには、

 

 

 

「楽しいお話をありがとうございました!大切に使わせていただきます。」

とありました。

 

 

 

 

うん?楽しいハナシをしたつもりではなかったのですが…笑

でもこの方の元で、きっとまた頑張ってくれる。買ってくれたのがこの方で本当によかった。

 

 

 

 

バッグは生き物ではないけれど、もし一言伝えるとしたら、側にいてくれて本当にありがとう、と言いたい気持ちです。

 

 

 

 

 

704との付き合いはこうして幕を閉じましたが、わたしはあのバッグのことを、ずっと忘れないと思います。